#3 Ray-MMDが怖いって?これを読めば怖くなくなるよ!

There is no need to be afraid of Ray-MMD.

こんにちは、最近は暖かい毛布にくるまり昼寝するのが趣味になっているえくりでぃあす(@Eclidiuth)です。

さて、今回でRay-MMDのチュートリアル記事もついに第3弾となりますね。

これまではSour式鏡音リンを使用して動画を制作していましたが今回はつみ式初音ミクとなります。

流れ的に次はSour式初音ミクが自然かなとは思いましたが、適当にMMD動画を見ているつみ式初音ミクに興味を持ち、色々遊んでいるうちに記事にしたくなったのでこうして公開する運びとなりました。

今回のチュートリアルでは次のような動画を制作しますので、一緒に頑張っていきましょう。

動画が表示されない場合はこちらのリンクからYouTubeでご確認ください。

はじめに

このチュートリアルはより多くの人が自分の作りたい映像を自由に作れるようになることを目標として執筆されています。

この記事を読むだけで綺麗な映像を作れるようにはなりませんが、Ray-MMDの基礎習得の一助にはなるかと思われます。

制作方法は人それぞれではありますが、一連の手順を通して私なりの手順と方法が皆様の参考になれば幸いです。

当ドキュメントにおける表記

このドキュメントでは内容を理解しやすくするために太字のテキスト背景付きのテキストを用いています。

太字のテキストにしているもの

  1. 重要な説明

  2. メニューバーの項目名

  3. MMDまたはPMXEditor等におけるボタン

背景付きのテキストにしているもの

  1. ファイルおよびフォルダ名

  2. MMEのエフェクト割り当てウインドウのタブ名

  3. MMDの表情操作パネル等の値

  4. fxファイル内の項目名

  5. fxファイル内の値

注意点

このチュートリアルでは「視覚的にどう見えるか」という点を重点において解説を進めていきます。

そのため、実際には異なる効果であったり、意味を持っている可能性も大いに存在します。

これは私自身が3DCGに関する専門的な知識を有していないためであり、実際に正しい情報であることは担保しかねます。

可能な限り正確性を高める努力はしていますが、どうしても至らない点はありますので、ご了承ください。

誤字・脱字について

誤字脱字には注意しながら書き進めておりますが、そうしたものが存在する場合もあります。

その際は私のTwitterアカウントにリプライまたはメンションでお知らせください。

必要なもの

このチュートリアルでは次のものが必要なので、事前にダウンロードおよび導入を行ってください。

また、各配布物における規約を記したREADMEには必ず目を通すようお願いいたします。

(敬称略)

Step 0 最初の準備

今回も最初にチュートリアル用フォルダと整理用のフォルダを作成することにします。

このステップは必須ではありませんが、行ったことを前提に解説を進めていきますので作成しない場合は適宜保存場所を読み替えてください。

デスクトップにRayMMDTutorialsフォルダを作成しその中にTutorial3フォルダを作成します。

Tutorial3フォルダ内に次の6つのフォルダを作成してください。

モデルの改変

モデルには法線というものが存在し、それの向きが影の描画に影響を与えます。

通常の状態ではあまりにも顔の陰影が目立ちすぎるあまり少々不気味に見えるためそれを解決します。

PMXEditorを起動し自動的に表示されるPmxViewにつみ式ミクさんv2.1/ミクさん.pmxを読み込みます。

読み込んだらPmxView左下にある青色の丸とオレンジ色の線のアイコンの2つをクリックして選択解除します。

次にメニューバーのすぐ下にある小窓のセクションにおいてをクリックして絞込み表示ウインドウを表示します。

頂点/材質タブを選択した状態で材質のラジオボタンを選択し、隣にあるをクリックしてすべての材質を非表示にした後に材質0: 頭から6: 瞳2までの7つの材質にチェックを入れウインドウを閉じます。

次に顔全体が収まるようにドラッグで範囲指定をし、Pmx編集ウインドウの表示>プラグイン>User>faceforward1.2>faceforward64を選択して選択頂点の法線をZ軸方向に向けますウインドウを表示します。

中央に向ける割合の数値は70に、バイアスについては全ての値を0、Z軸で前を向いているものだけを対象にするにチェックを入れた状態で実行をクリックしてnの法線を変更しました(nは変更した法線の数)と出たらOKで閉じます。

最後にPmx編集のファイル>上書き保存からミクさん.pmxを上書き保存します。

Step 1 Skyboxの設定

Step 0にて必要な準備が完了したので、さっそくRay-MMDを読み込んでいきましょう。

MMDを起動してray-mmd-1.5.2フォルダ内にあるray.xをドラッグ&ドロップでロードし画面が黒くなったらメニューバーの表示よりアンチエイリアスをオフにして背景を白に戻します。

Skyboxの読み込み

今回は背景を朝焼けにしたいので、それを表現できるTime of dayというSkyboxを使用します。

ray-mmd-1.5.2/Skybox/Time of dayにあるTime of day.pmxを読み込みましょう。

デフォルトではSkybox(Time of day.pmx)が白っぽくなっているかもしれません。

その際はまず、メニューバー右上にあるMMEffect>エフェクト割当からエフェクトファイル割り当てウインドウ(以降MMEのウインドウと表記)を開きます。

次にMaterialMapタブを選択してTime of day.pmxに対しray-mmd-1.5.2/Materialsにあるmaterial_skybox.fxを割り当て、Skyboxが正常に描画されている(白っぽくなっていない)ことを確認します。

Skyboxにはそれ専用のmaterial_skybox.fxというfxファイルがMaterialMapタブで割り当てられている必要があるので、Skyboxを読み込んだ際は割り当てが正しいか確認するようにしましょう。

最後に、床のグリッドは不要なので画面右上の座標軸をクリックして非表示にしましょう。

作業内容の保存

ここまでの作業内容はStep 0で作成したpmmフォルダにproject01.step1.pmmとして保存しておきましょう。

Step毎にpmmファイルを保存することで期間が空いても途中から再開することができます。

Step 2 MMDの照明の調整

Time of dayというSkyboxはMMDの照明操作パネルのXYZの3つの値によって背景やライティングが変化します。

ビューポート左下にあるカメラ編をクリックしてパネルの表示を切り替え、照明操作パネルでYの値をスライダーで変更すると背景が変化していくことが分かりますね。

これを利用して通常の明るい青空から朝焼けあたりの時間帯に見えるようにしてみましょう。

なお、スライダーで値を調整した場合は値が同じでも見た目が異なる場合があるため、変化を確認したい場合を除き直接値を入力する方が良いでしょう。

XYZそれぞれの値を変更したら必ず照明操作パネルにある登録をクリックして変更を登録します。

この操作を行わないと変更が保存されず、二度手間になるので忘れないよう注意しましょう。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step2.pmmとして保存しておきましょう。

Step 3 モデル読み込みと微調整

Step 0で作成したmodelsフォルダ内にあるつみ式ミクさんv2.1フォルダ内のミクさん.pmxを読み込みます。

読み込んだ初期の状態ではやけに白く、半透明の部分が薄いピンク色になっているのでこれを修正したいですね。

しかしその前にひとつ行わなければならない操作があります。

モデルの読み込みが完了した時点で、先ほど設定した背景が青空に戻ってしまっています。

これはMMDの仕様であり、これを解決するには表示からモデル編集時カメラ・照明追従を有効にする必要があります。

モデルを正しく描画させる

それでは次はモデルが正しく描画されるようにしましょう。

Mainタブを選択してミクさん.pmxに対しray-mmd-1.5.2/Mainにあるmain.fxを割り当てます。

まともな見た目には近づきましたが、前髪やアームカバーについてはまだ薄いピンク色のままですね。

これはEnvLightmMapタブでSkyboxに対し適切なfxファイルを割り当てていないためです。

EnvLightmMapタブを選択しTime of day.pmxray-mmd-1.5.2/SKyboxにあるskylighting_none.fxを割り当てます。

これによりモデルが正常に描画されるようになりましたがモデルの一部にしか光が当たっていませんね。

正確には照明操作パネルのXYZの3つの値で指定した方角の方のみが照らされています。

この状態では後ろからモデルを見たときにモデルの背面が真っ黒になってしまっているのでこれを解決します。

今度はTime of day.pmxray-mmd-1.5.2/SKybox/Sky HemisphereにあるSky with lighting.fxを割り当てます。

このファイルはSky Hemisphereという名前のSkyboxの表情操作パネルの値を使用してライティングを行うようにさせるもので、現在は360度全ての方向から白い光で照らされている状態になります。

ここで一部の人は現在使用しているSkyboxはTime of Dayなのではと疑問に思うかもしれません。

確かに現在はTime of day.pmxSky Hemisphere用のfxファイルを割り当てています。

本来であればTime of Dayにはそれ用のray-mmd-1.5.2/Skybox/Time of day/Time of lighting.fxを割り当てるところでしょうし、多くの他のチュートリアルや解説ではそうするように説明されていることでしょう。

しかしそれは少々扱いづらく、実際に割り当て照明操作パネルで初期化するとその理由が分かります。

Skyboxは背景の変化に応じてライティングも変化し、青空ではそれに適したものに変化します。

肌の部分を見るとわかりやすいですが、青空の影響を受け見慣れない色になってしまっていますね。

もちろんこの状態から調整していくことも可能ではありますが、それは初心者にとっては大きな手間になります。

そのため、このチュートリアルではただの白い光(明るさ)だけを提供してくれるSky Hemisphere用のfxファイルを用いることにします。

モデル操作パネルでTime of dayに切り替えたらTime of day.pmxに再びray-mmd-1.5.2/Skybox/Sky HemisphereにあるSky with lighting.fxを割り当てましょう。

Skyboxのライティングの調整

少々長くなりましたがこれでライティングについてはほとんど終わりました。

最後にライトの明るさが強く陰影があまり無いので今度はライトの明るさを下げてこれを解決しましょう。

Time of dayを選択し表情操作パネル右上にあるセレクトボックスでEnvDiffLight-を選択し、その値をスライダーあるいは直接値を入力して0.540に設定し、すぐ上にある登録ボタンで変更を登録します。

照明操作パネルの時と同様に項目の値を変えたらそれを登録する必要があるのでその操作を忘れずに行いましょう。

彩度の調整

では次に画面全体の彩度を上げることにしますが、それを行うにはray_controller.pmxを読み込む必要があります。

ray-mmd-1.5.2にあるray_controller.pmxを読み込むと自動的にモデル操作パネルでray_controllerが選択されるので、表情操作パネル右下にあるセレクトボックスからSaturation+を選択し値を0.350にして登録します。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step3.pmmとして保存しておきましょう。

Step 4 床と海面の用意

今回は簡単に配布ステージを使用する代わりにRay-MMDに最初からある便利な床を使用することにします。

まずはray-mmd-1.5.2/Materials/Programmable/Water内にあるwater.pmxを読み込みましょう。

それを読み込むとただのグレーの板が足元に追加されることが分かりますね。

この床は表情操作パネル左下のscaleの値を上げることにより大きくすることができます。

しかしこの床に関しては特に大きくする必要が無いので二枚目のwater.pmxを読み込みます。

二枚目のwater.pmxを読み込んだらscaleの値を0.700にして大きくし登録します。

二枚目の床を海面にする

MaterialMapタブを選択し2番目のwater.pmxに同じフォルダ内にあるmaterial_water.fx割り当てます。

これにより良さげな海面を表現することができましたが、まだmainタブの割り当てが完了していません。

mainタブを選択し、2つのwater.pmxに対してray-mmd-1.5.2/Mainにあるmain.fxを割り当てましょう。

次に2枚の床は同じ高さに位置しているので海面の床の方を少し下に移動することにします。

モデル操作パネルで2番目のwaterを選択しビューポート下部のYの値を-0.4にしボーン操作パネルで登録します。

これで2つの床が重なることはなくなりましたね。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step4.pmmとして保存しておきましょう。

Step 5 マテリアル割り当て

さて、ここからは一番の楽しみであろうマテリアル割り当ての時間です。

前回同様に今回もRay-MMDのEditorというものを多用していきますが、プリセットも一部の材質には使用していきます。

ではさっそく髪からマテリアルの割り当てを行っていくことにしましょう。

髪のマテリアル割り当て

MaterialMapタブを選択しミクさん.pmxを右クリックからサブセット展開します。

髪の材質は7: 前髪裏10: 前髪11: 後髪12: ツインテの4つのようなのでCtrlキーで複数選択します。

複数選択した状態でray-mmd-1.5.2/Materials/Editorにあるmaterial_aniso__1.fxを割り当てましょう。

Editorのfxファイルを割り当てただけでは何も変わらないので次は対応するEditorのコントローラを読み込みます。

material_aniso__1.fxに対応するコントローラは同フォルダ内にあるmaterial_aniso_1.pmxですから、それを読み込んだら次の表の通りに値を設定し、各項目の値を変更するごとに登録を行ってください。

また、ボーン操作パネルで選択が有効になっていると影が描画されないので必ず選択状態を解除してください。

Aniso_1

服のマテリアル割り当て

今回は簡単に白い上着部分と黒いアームカバーとブーツの2つにマテリアルを設定することにします。

まずはClothという種類のEditorが2つ必要なので先にコントローラを読み込むことにしましょう。

ray-mmd-1.5.2/Materials/Editor/Clothにあるmaterial_cloth_1.pmxmaterial_cloth_2.pmxを読み込んだらMaterialMapにて次の表の通りにfxファイルを割り当てます。

次に今割り当てたfxファイルが利用するためのノーマルマップを用意しましょう。

ノーマルマップ(法線マップ)とは服や物体の凹凸を表現するために用いられるもので、Ray-MMDには最初からそれがいくつか付属しているので今回はそれを使用することにします。

ray-mmd-1.5.2/Materials/_MaterialMapフォルダ内にFabric02_N by 2gou.bmpという画像ファイルがあるのでそれをコピーしてray-mmd-1.5.2/Materials/Editor/Clothにペーストしnormal.pngとリネームします。

これでノーマルマップを用意できたので今度はfxファイルがそれを使用するように少しだけコードを書き換えます。

お好きなエディタ(筆者はVSCodeを使用)でmaterial_cloth__1.fxを開いて31行目を次のように書き換えます。

#define NORMAL_MAP_FROM 1 // default 0

このようにコードを書き換えることで、34行目で指定した名前の画像を読み込むようになります。

書き換えとノーマルマップの適応に成功したら、同様の手順でmaterial_cloth__2.fxも書き換えましょう。

服のマテリアル調整

先ほどfxファイルを書き換えたことによりノーマルマップを適応できたので今度はコントローラでその調整を行います。

次の表に従って各項目の値を設定し登録を忘れないようにしてください。

Cloth_1

Cloth_2

髪のアクセサリのマテリアル割り当て

せっかくなので髪の赤色のアクセサリを点滅させてみることにしましょう。

今回は特に特徴がないのが特徴なStandardという種類のEditorを使用することにします。

まずray-mmd-1.5.2/Materials/Editor/Standardにあるmaterial_editor_1.pmxを読み込み材質14: 髪留め2に対して同フォルダ内にあるmaterial_editor__1.fxを割り当てましょう。

次の表に従って各項目の値を設定し忘れずに登録を行ってください。

Editor_1

最後にEmissiveBlinkで指定した間隔で点滅するようにmaterial_editor__1.fxを書き換えます。

#define EMISSIVE_MAP_APPLY_BLINK 1 // default 0

肌のマテリアル割り当て

Editorを使ったマテリアルの調整はこれで最後になります。

今回はSkinというEditorを使用するのでray-mmd-1.5.2/Materials/Editor/Skinにあるmaterial_skin_1.pmxを読み込んだら材質0: 頭1: 顔17: 体118: 体219: 体320: 体4に同フォルダ内にあるmaterial_skin__1.fxを割り当てましょう。

次の表に従って各項目の値を設定し忘れずに登録してください。

また、この時点ではCustomACustom2RCustom2GCustom2Bの値を変更しても変化はありませんが後で説明するので安心して進めてください。

Skin_1

値を設定したら少しだけfxファイルを書き換える必要があります。

material_skin__1.fxの95行目のコードを次のように書き変え保存してください。

#define EMISSIVE_ENABLE 0 // default 1

EMISSIVE_ENAVLEの値を0にして無効にすると109行目のCUSTOM_ENABLEによる特殊効果を有効にすることができます。

CUSTOM_ENABLEの値が1の時はray-mmd-1.5.2/Materials/README.mdShading Model IDにある通りPreIntegrated Skin

としての効果となり、これは肌を表現するために用いることができます。

CustomAではその効果の程度を、3つのCustom2ではRGBの各成分の値を設定することができます。

残りの材質のマテリアル割り当て

最後に残りの材質にRay-MMDに最初からあるマテリアル用fxファイルを割り当てることにします。

次の表に従い各材質にray-mmd-1.5.2/Materials内にある適切なマテリアル用fxファイルを割り当ててください。

ミクさん.pmx

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step5.pmmとして保存しておきましょう。

Step 6 目の影を改善する

Step 5にてマテリアル割り当てが完了しましたが目の部分が黒くなっており不気味に感じてしまいますね。

これは特定の材質を非表示に、SSAOタブで影を作らないようにすることで解決することができます。

不要な材質の非表示

まずは手始めに不要な材質を非表示にすることにしましょう。

MaterialMapにて材質8: 目影9: 顔影のチェックボックスを外します。

次にMainでも同様に材質8: 目影9: 顔影のチェックボックスを外すことで材質を非表示にできます。

SSAOによる影を消す

Ray-MMDではSSAOというものにより自身に影ができるようになっています。

通常であればモデルに陰影を与える便利な機能にはなりますが今回のようにSSAOにより表示が変になることもあります。

仕様通りではあるのですが、目に関しては不要なのでSSAOによる影を非表示にします。

SSAOMapタブを選択し材質3: 白目4: 黒目5: 瞳8: 目影に対しray-mmd-1.5.2/ShadowにあるSSAO visibility 0.0.fxを割り当てることでSSAOによる影の濃度を0にすることができます。

これで白目と目影部分にできていた黒い影をなくし、黒目、瞳を明るくすることができましたね。

顔の影を薄くする

これは個人の好みによるので必ずしも行う必要はありませんが、顔の影を薄くしたい場合もあるでしょう。

その際はSSAOMapにて材質0: 頭に対しSSAO visibility 0.5.fxを割り当ててあげると良いでしょう。

数値が低いほど影は薄くなり、逆に数値が大きいほど影が濃くなります。

今回はSSAO visibility 0.5.fxを割り当てることにしました。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step6.pmmとして保存しておきましょう。

Step 7 AutoLuminousでの調整

Step 6にて目の影を消すことに成功したものの、まだ少し暗い気がするので明るく見えるようにします。

AutoLuminousというエフェクトを利用することで任意の材質を明るく表示させることができます。

まずはStep 0で作成したeffectsフォルダ内に存在するAutoLuminous4/AutoLuminous.xを読み込みましょう。

読み込んだ時点では何ら変化はありませんが、これは当然のことでPMXEで少し調整を行う必要があります。

一度ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step7.pmmとして保存しMMDを終了します。

PMXEditorを起動しミクさん.pmxを読み込んだらPmx編集ウインドウの材質タブにて材質3: 白目から6: 瞳2までの4つの材質をCtrlで複数選択し反射強度の値を110に変更します。

一度他の材質を選択してもう一度反射強度の値を変更した材質を選択し値が変更されていることを確認しましょう。

確認が完了したら上書き保存を行いPMXEditorは終了しMMDでproject01.step7.pmmをロードします。

この時に目の部分がすごく明るくなっていたら成功です。

あまりにも明るすぎるためアクセサリ操作パネルでAutoLuminous.xを選択しSiの値を0.1000に、Trの値を0にして明るさを抑え、光が周囲へ拡散しないように変更し登録を行います。

次にメニューバーの表示>アクセサリ編集からAutoLiminous.xray.xの順番に並び替えてAutoLuminousで目を明るくした後にRay-MMDでのシェーディングが行われるように変更しましょう。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step7.pmmとして保存しておきましょう。

Step 8 床にモデルを反射させる

Ray-MMDにはScreen Space Reflectionというスクリーン上に映っているものを任意の材質に反射させられます。

しかしその性質上スクリーンに映っていない部分は反射しないので、他にいいものがあればそれを使うと良いでしょう。

SSRを有効にする

SSRを有効にするにはray-mmd-1.5.2にあるray.confを書き換える必要があります。

その前に一度現在の内容をpmmフォルダにproject01.step8.pmmとして保存しておきましょう。

ray.confを開いたら58行目にある#define SSR_QUALITの値を3に変更し上書き保存を行います。

完了したらMME>すべて更新から全てのエフェクトの再読み込みを行います。

この時点では何ら変化がないので床にモデルが反射するようなマテリアルを割り当てることにします。

MaterialMapにて海面でない方のwater.pmxray-mmd-1.5.2/Materials/ClearCoatにあるmaterial_black.fxを割り当てます。

カメラを動かしてみて床にミクさんが反射していれば成功です。

また、FPSが下がって重い場合は反射の精度は下がりますが値を1に変えて負荷を下げると良いでしょう。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step8.pmmとして保存しておきましょう。

Step 9 最後の仕上げ

現在の状態でも十分見栄えは良いように思えますが、もう少し影が濃いと陰影がはっきりして良いかなと思います。

ray_controllerを選択したらSunShadowV-SSAO+の値を共に0.200に変更しそれぞれ登録を行います。

これによりMMDの照明によってできる影を暗くし、SSAOによってできる影も濃くすることができました。

背景のぼかし

Ray-MMDではray.confの設定を変えることで背景のぼかし(Bokeh)が利用可能になります。

一度project01.step9.pmmとして保存したらray.confを開き73行目を次のように書き換えましょう。

ファイルを書き換えたらpmmファイルを読み込み直すかMMEffectから全て更新を行い背景を確認します。

#define BOKEH_QUALITY 1 // default 0

OpticalFlaresでレンズフレアを描画する

せっかくなのでOpticalFlaresというエフェクトを使ってレンズフレアを描画させましょう。

今回は簡単にOpticalFlares-master/Sun Flare Circle Bokeh 1にあるOpticalFlares by Sun.xをロードします。

このxファイルでは太陽のある方向から自動的に計算していい感じのレンズフレアを描画してくれます。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step9.pmmとして保存しておきましょう。

Step 10 モーションと音源の読み込み

最後にモデルのモーションと表情を読み込みましょう。

モデル操作パネルでつみ式ミクさんを選択しHibana/Hibana.vmdを読み込みます。

ロードが完了し、画面左側のパネルにキーフレームが追加されたことを確認したら再生パネルで再生を行います。

何ら問題ないようであれば次はヒバナ(カメラ・表情・リップ)にあるカメラ.vmdリップ(あ-いや).vmdリップ(ななな).vmd表情リップメイン.vmd目線.vmdの5つのvmdファイルを読み込みます。

カメラ.vmdカメラ・照明・アクセサリを選択した状態で、他の4つはつみ式ミクさんを選択してから読み込みます。

全てのvmdファイルを読み込みもう一度再生してみて何ら問題なさそうであれば次に進みます。

ぼかしの調整

5795フレームから6015フレームまでの間を確認するとモデルにぼかしがかかっているのでray_controllerで調整します。

0フレームに移動しFocalRegion+の値を0.280にし登録したら5795フレームに移動して確認します。

音源の読み込み

Step 0にて作成したmusicフォルダにあるwav形式の音声ファイルを読み込みます。

画面左のフレーム操作パネル上部に音声の波形が表示されていれば読み込めています。

作業内容の保存

ここまでの作業内容をpmmフォルダにproject01.step10.pmmとして保存しておきましょう。

Step 11 映像出力

ついにこのチュートリアルにおける最後の作業となります。

あともう少しなのであと一息頑張りましょう!

MMDではavi形式で映像を出力でき、個人的にUtVideoというビデオ圧縮コーデックがおすすめです。

他のものと具体的な数値を比較してはいませんが、私の環境では高速で出力が完了するため気に入っています。

こちらのページからexe installerをダウンロードしインストールを行ってください。

2021年12月28日時点では23.0.0が最新のようですが、新しいものがあればそちらを使うのが良いでしょう。

インストールが完了したらMMDを閉じた後にもう一度開き、ファイル>AVIファイルに出力を選択します。

保存場所はStep 0で作成したexports内にし名前は適当にproject01.step11とでもしておきましょう。

指定が完了するとAVI出力設定ウインドウが表示されるのでフレームレートは30や60などお好きなものを指定しましょう。

このあたりは個人のマシンスペックによると思います。

次に録画フレームについてですがこれには0と最終フレームである6193を指定します。

WAVE出力にチェックを入れ、ビデオ圧縮コーデックにはUtVideo YUV420 BT.709 DMOを指定します。

最後にOKをクリックすると映像出力が始まるので完了するのを待ちます。

映像出力が完了したらaviファイルを再生するか、重い場合は一度mp4に変換した後に再生して問題がないか確認しましょう。

もし大丈夫そうであればこれにてチュートリアルは完了です、お疲れ様でした!!!

おわりに

よくやたらと長いこの記事を最後まで読むことができましたね!

普段無気力な私からしたら最後までこの記事を読むことができたあなたは尊敬に値します。

一連の手順を通して多少はRay-MMDの扱い方が分かったかと思います。

説明不足な点もあるかもしれませんが、その際はTwitterに連絡いただければ可能な限りお答えします。

また、YouTubeチャンネルの方を登録、コメントで応援いただけるとつい嬉しくなって少しだけ記事の執筆が早くなるかもしれませんね...!

私はあなたが自分の作りたいものを自由に作れるようになることを応援しています🥳

それでは良きRay-MMDライフを!

最終更新