#3 Ray-MMDが怖いって?これを読めば怖くなくなるよ!
There is no need to be afraid of Ray-MMD.
さて、今回でRay-MMDのチュートリアル記事もついに第3弾となりますね。
これまではSour式鏡音リンを使用して動画を制作していましたが今回はつみ式初音ミクとなります。
流れ的に次はSour式初音ミクが自然かなとは思いましたが、適当にMMD動画を見ているつみ式初音ミクに興味を持ち、色々遊んでいるうちに記事にしたくなったのでこうして公開する運びとなりました。
今回のチュートリアルでは次のような動画を制作しますので、一緒に頑張っていきましょう。
このチュートリアルはより多くの人が自分の作りたい映像を自由に作れるようになることを目標として執筆されています。
この記事を読むだけで綺麗な映像を作れるようにはなりませんが、Ray-MMDの基礎習得の一助にはなるかと思われます。
制作方法は人それぞれではありますが、一連の手順を通して私なりの手順と方法が皆様の参考になれば幸いです。
このドキュメ ントでは内容を理解しやすくするために太字のテキストと
背景付きのテキスト
を用いています。太字のテキストにしているもの
- 1.重要な説明
- 2.メニューバーの項目名
- 3.MMDまたはPMXEditor等におけるボタン
背景付きのテキストにしているもの
- 1.ファイルおよびフォルダ名
- 2.MMEのエフェクト割り当てウインドウのタブ名
- 3.MMDの表情操作パネル等の値
- 4.fxファイル内の項目名
- 5.fxファイル内の値
このチュートリアルでは「視覚的にどう見えるか」という点を重点において解説を進めていきます。
そのため、実際には異なる効果であったり、意味を持っている可能性も大いに存在します。
これは私自身が3DCGに関する専門的な知識を有していないためであり、実際に正しい情報であることは担保しかねます。
可能な限り正確性を高める努力はしていますが、どうしても至らない点はありますので、ご了承ください。
誤字脱字には注意しながら書き進めておりますが、そうしたものが存在する場合もあります。
その際は私のTwitterアカウントにリプライまたはメンションでお知らせください。
このチュートリアルでは次のものが必要なので、事前にダウンロードおよび導入を行ってください。
また、各配布物における規約を記したREADMEには必ず目を通すようお願いいたします。
(敬称略)
配布物 | 制作者 | 配布先URL |
MikuMikuDance_v932x64 | 樋口M | |
MMEffect_x64_v037 | 舞力介入P | |
PmxEditor_0257 | 極北P | |
選択頂点の法線をZ軸方向に向けます。1.2 | 大葉真琴 | |
ray-mmd-1.5.2 | Rui | |
OpticalFlares | Rui | |
AutoLuminous4 | そぼろ | |
つみ式ミクさんv2.1 | つみだんご | |
ヒバナのモーションデータ | ゲッツ | |
ヒバナのリップ | rink |
今回も最初にチュートリアル用フォルダと整理用のフォルダを作成することにします。
このステップは必須ではありませんが、行ったことを前提に解説を進めていきますので作成しない場合は適宜保存場所を読み替えてください。
デスクトップに
RayMMDTutorials
フォルダを作成しその中にTutorial3
フォルダを作成します。Tutorial3
フォルダ内に次の6つのフォルダを作成してください。フォルダ名 | 配置しておくもの | 用途 |
effects | ray-mmd-1.5.2, OpticalFlares, AutoLuminous4 | MMEエフェクトを配置する |
exports | なし | 出力する画像、動画を保存する |
models | つみ式ミクさんv2.1 | モデルデータを配置する |
motions | ヒバナのモーションデータ、ヒバナのリップ | モーションデータを配置する |
music | ヒバナの音楽(.wav)ファイル | 音源データを配置する |
pmm | なし | pmmファイルを保存する |
モデルには法線というものが存在し、それの向きが影の描画に影響を与えます。
通常の状態ではあまりにも顔の陰影が目立ちすぎるあまり少々不気味に見えるためそれを解決します。
PMXEditorを起動し自動的に表示されるPmxViewに
つみ式ミクさんv2.1/ミクさん.pmx
を読み込みます。読み込んだらPmxView左下にある青色の丸とオレンジ色の線のアイコンの2つをクリックして選択解除します。
次にメニューバーのすぐ下にある小窓のセクションにおいて絞をクリックして絞込み表示ウインドウを表示します。
頂点/材質
タブを選択した状態で材質のラジオボタンを選択し、隣にある反をクリックしてすべての材質を非表示にした後に材質0: 頭
から6: 瞳2
までの7つの材質にチェックを入れウインドウを閉じます。次に顔全体が収まるようにドラッグで範囲指定をし、Pmx編集ウインドウの表示>プラグイン>User>faceforward1.2>faceforward64を選択して選択頂点の法線をZ軸方向に向けますウインドウを表示します。
中央に向ける割合の数値は
70
に、バイアスについては全ての値を0
、Z軸で前を向いているものだけを対象にするにチェックを入れた状態で実行をクリックしてnの法線を変更しました(nは変更した法線の数)と出たらOKで閉じます。最後にPmx編集のファイル>上書き保存から
ミクさん.pmx
を上書き保存します。
Step 0にて必要な準備が完了したので、さっそくRay-MMDを読み込んでいきましょう。
MMDを起動して
ray-mmd-1.5.2
フォルダ内にあるray.x
をドラッグ&ドロップでロードし画面が黒くなったらメニューバーの表示よりアンチエイリアスをオフにして背景を白に戻します。今回は背景を朝焼けにしたいので、それを表現できる
Time of day
というSkyboxを使用します。ray-mmd-1.5.2/Skybox/Time of day
にあるTime of day.pmx
を読み込みましょう。デフォルトではSkybox(
Time of day.pmx
)が白っぽくなっているかもしれません。その際はまず、メニューバー右上にあるMMEffect>エフェクト割当からエフェクトファイル割り当てウインドウ(以降MMEのウインドウと表記)を開きます。
次に
MaterialMap
タブを選択してTime of day.pmx
に対しray-mmd-1.5.2/Materials
にあるmaterial_skybox.fx
を割り当て、Skyboxが正常に描画されている(白っぽくなっていない)ことを確認します。
Skyboxにはそれ専用の
material_skybox.fx
というfxファイルがMaterialMap
タブで割り当てられている必要があるので、Skyboxを読み込んだ際は割り当てが正しいか確認するようにしましょう。最後に、床のグリッドは不要なので画面右上の座標軸をクリックして非表示にしましょう。
ここまでの作業内容はStep 0で作成した
pmm
フォルダにproject01.step1.pmm
として保存しておきましょう。Step毎にpmmファイルを保存することで期間が空いても途中から再開することができます。
Time of day
というSkyboxはMMDの照明操作パネルのX
、Y
、Z
の3つの値によって背景やライティングが変化します。ビューポート左下にあるカメラ編をクリックしてパネルの表示を切り替え、照明操作パネルでYの値をスライダーで変更すると背景が変化していくことが分かりますね。
これを利用して通常の明るい青空から朝焼けあたりの時間帯に見えるようにしてみましょう。
なお、スライダーで値を調整した場合は値が同じでも見た目が異なる場合があるため、変化を確認したい場合を除き直接値を入力する方が良いでしょう。
項目名 | 値 |
X | -0.5 |
Y | -0.1 |
Z | +0.5 |

X
、Y
、Z
それぞれの値を変更したら必ず照明操作パネルにある登録をクリックして変更を登録します。